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マルチディスプレイ環境がない人でも、1つのPCで複数のMT4を起動できれば非常に利便性の高いトレードが可能です。
しかし、普通にMT4を再度ダウンロードしても、前にダウンロードしたバージョンが上書きされるだけで、アプリがもう一つ増えるわけではありません。
同じような経験をして、MT4の複数起動を諦めている人もいるでしょう。しかし、適切な手順を踏めばMT4の複数起動は誰でも簡単にできます。
本記事ではMT4を複数起動する手順や注意点について解説しますのでぜひ参考にしてください。
1つのPCで複数のMT4を起動するメリット
MT4を複数起動すると、様々なメリットがあります。ここではその中でも特に大きな３つのメリットを紹介します。
- 複数の口座の資金管理が容易になる
複数の口座を持っている人は、MT4内での口座の切り替えが手間に感じている人も多いでしょう。しかし複数のMT4を使うことで、同じFXブローカーの複数の口座を同時に起動しトレードや資金の管理ができます。
- 目的に応じた使い分けが可能になる
「自動売買(EA)用MT4」と「裁量取引用MT4」といったように、目的に応じた使い分けが可能になります。これにより、トレーディングの効率を高めることができ、特に自動売買と裁量取引を併用するトレーダーにとっては、管理がしやすくなります。
- 1つのMT4にかかる負荷を分散させる
複数のMT4を稼働させることで、一つのプラットフォームに集中する負荷を分散させることができます。特に、多数のExpert Advisor (EA)やインジケーターを使用すると挙動が重くなりがちなのでこの方法はかなり有効です。それぞれのMT4に負荷を分散させることで、パフォーマンスの低下を避け、よりスムーズなトレーディング環境を実現できます。
複数のMT4を起動する方法
ここからは、MT4を複数起動する方法について解説します。基本的にここでは「複製」という方法でMT4を複数起動します。複製には大きく分けて2つの方法があります。
●FXブローカーのホームページから再度ダウンロード
今使っているFXブローカーの公式ホームページにアクセスし、MT4を再ダウンロードする方法です。
●既存のMT4をコピー
もう1つは、現在使用中のMT4を丸ごとコピーする方法です。
ただし、これらの方法をただ実行するだけでは、元のMT4に上書きされてしまうため、複製として機能しません。きっと同じような経験をした人も多い事でしょう。しかし、これにほんのひと工夫加えるだけで、MT4は簡単に複数起動できます。主に2種類のやり方があるのでそれぞれ解説していきます。
インストール先の変更
MT4を複製する際に、インストール先を変更することで同じファイルへの上書きを防げます。以下がMT4を複製する手順です。
- FXブローカーのホームページからMT4をダウンロード
現在使っているFXブローカーのホームページにログインし、MT4のダウンロードページへ進み、インストーラーを立ち上げます。 - インストーラーの設定変更
インストーラーが開いたら、「設定」をクリックし、インストール先のフォルダ名を変更します。例えば、「MT4」のフォルダ名に「-2」を付け加え、「MT4-2」とします。 - インストールと設定
変更後、「次へ」をクリックしてインストールを完了させます。インストールが終わったら、新しくインストールしたMT4を開き、サーバーを選んだら口座情報を入力してログインします。
以上で、2つのMT4の同時起動が完了です。同一の口座を2つ起動して、自動売買と裁定取引に分ける、異なる口座を同時に起動して短期と長期トレードを両方同時に管理する、など利用方法は様々です。それぞれの環境に合わせてMT4の複数起動を上手に利用しましょう。
MT4のコピーによる複製方法
既にインストール済みのMT4をコピーして複製する方法です。この方法ではFXブローカーにログインしてMT4を再ダウンロードする必要がありません。ただ、ちょっとPCの扱いに慣れている人向けの方法なので、あまり慣れていない人は上記の複製方法を試してみてください。
MT4のコピー手順
- プログラムフォルダの特定
エクスプローラーを開き、「PC」➝「ローカルディスク(C:)」に進みます。次のページで「Program Files」と「Program Files (x86)」のフォルダを見つけましょう。MT4はこれらのフォルダのいずれかに格納されているはずです。 - フォルダのコピー
MT4のフォルダを見つけたら、右クリックして「コピー」を選択、または「Ctrl + C」でコピーします。その後、「Program Files」内の空白スペースを右クリックし、「貼り付け」を選択するか「Ctrl + V」でペーストします。管理者権限を求められた場合は、「続行」を選択してください。 - フォルダ名の変更
コピーしたフォルダには「- コピー」という名前が付きますが、これをわかりやすい名前に変更しましょう。例えば、「MT4 – Copy」のフォルダ名を「MT4 Terminal No2」といった名前に変更すると良いでしょう。 - ショートカットの作成
複製されたMT4フォルダ内にある「terminal」を見つけ、右クリックして「ショートカットを作成」を選択します。これにより、デスクトップ上に新しいショートカットが作成されます。 - ショートカットのカスタマイズ
作成されたショートカットは、右クリックから「名前の変更」を選び、好みの名前に変更しましょう。また、「プロパティ」から「アイコンの変更」を選択し、別のアイコンに変更することも可能です。各ブローカーのアイコンは、複製したフォルダ内にあるので、そこから選んでください。
これで、2つ目のMT4/MT5をデスクトップから簡単に起動できるようになります。
MT4複数起動にはVPSの利用がおすすめ
「VPS」とは、「Virtual Private Server」の略称で、日本語で「仮想専用サーバー」と呼ばれるサービスです。1台の物理サーバーを仮想化技術を用いて複数の独立したサーバーに分け、各ユーザーにレンタルするという仕組みです。VPSには以下のようなメリットがあります。
- 24時間安定稼働： 自動売買(EA)を24時間、安定した環境で行えます。
- コスト削減： 電気代の節約や、PCの長時間使用による消耗の心配がありません。
- 高速通信： 通信速度の向上により、取引の遅延が少なくなります。
- モバイルアクセス： スマートフォンやタブレットからでも、PC版MT4にアクセス可能になります。
- Mac対応： MacユーザーでもMT4を利用できます。
- FX業者のサポート： 利用しているFX業者によっては、無料でVPSサービスを提供している場合があります。
以上の理由から複数のMT4を同時に起動する場合や、自動売買を効率的に実行したいという人にVPSはとてもおすすめです。
MT4を複数同時に利用する上で注意するポイント
MT4を複数同時に起動する際、いくつかの注意すべきポイントがあります。MT4での快適なトレード環境を維持するためにも以下の注意事項を頭にいれておきましょう。
PCのパフォーマンスへの影響
MT4の複数同時起動はとても便利ですが、起動する数が多くなるとPCに大きな負担がかかってしまう点に注意しましょう。PCの挙動が悪くなるとトレードの決済速度にも影響を与え、大きなチャンスを逃してしまうことにもなりかねません。3つ以上起動したいという人はメモリ容量が大き目のPCを用意するかメモリの増設を検討しましょう。
VPSの利用時の注意
VPS（Virtual Private Server）を使用してMT4を複数起動する場合もメモリ不足に注意しましょう。VPSでもPCと同様に、同時に多くのMT4を起動することでメモリ使用量が増加し、処理速度が遅くなるリスクがあります。VPSを選択する際には、MT4の起動数に合わせてあらかじめ必要なメモリ容量を確保しておきましょう。またVPSはごくまれに不具合が生じることもあるので、必ず24時間サポートがあるサービスを選びましょう。
スマートフォン・タブレットでは複数起動できない
MT4はスマートフォンやタブレット用のアプリもリリースされていますが、MT4アプリを複数インストール・同時起動することはできません。もし本記事の方法を試しても、時間と労力を浪費してしまうことになるので注意しましょう。
MT4をスムーズに複数起動させるために必要なPCスペック
ここではMT4をスムーズに複数起動するために必要な、PCのスペックについて解説します。MT4の複数起動を考えている人は、自分のPCが以下のスペックを満たしているか確認してみましょう。
- CPU: 複数のMT4インスタンスを滑らかに運用するには、高性能のプロセッサが欠かせません。Intel Core i5以上、またはAMD Ryzen 5以上が望ましいです。
- メモリ(RAM): 複数のMT4を同時に実行するなら、最低でも8GBくらいのメモリ容量は欲しいところです。16GBあればかなり余裕を持って複数起動できるでしょう。
- ストレージ: SSD（ソリッドステートドライブ）はデータの読み書き速度を早めてくれるのでおすすめです。容量は256GBくらいあればOKです。
- インターネット接続: 高速かつ安定性の高いネット環境を準備しましょう。重要指標発表時にネットが不安定になると機会損失や思わぬミスにもつながります。
これらのスペックをクリアしていれば、複数のMT4を効率的かつ安定して動かせることでしょう。
| 項目 | 詳細 |
| CPU | 高速なプロセッサが必須。例: Intel Core i5以上、AMD Ryzen 5以上を推奨 |
| メモリ (RAM) | 最低8GB推奨、16GBあればより快適に動作 |
| ストレージ | SSD使用推奨、最低256GBのSSDを推奨 |
| インターネット接続 | 安定した高速インターネット接続が不可欠 |
まとめ
MT4を複数起動すれば、同一口座でEA用と裁定取引用を使い分けたり、複数の口座を同時に管理するなど、利便性の高いトレード環境が実現します。ちょっとした工夫でできることなので、ぜひ試してみてください。
ただしネット環境やPCの性能によっては挙動が遅くなる可能性もあるので注意しましょう。
またVPSを利用することでPCに負荷をかけずにMT4を複数起動させることも可能です。
MT4の複数起動を上手に利用して理想的なトレード環境を手に入れてください。
